第11章 誕生祝い to JUN
ーSsideー
なんだか色々よく分からない内に、カズはいつも通りに戻った。
うっかり告白もどきみたいなことを口走ってしまったが、良いのか悪いのかカズには上手く伝わらなかったようだ。
ずっと一番の友だちでいようと言われ、喜べばいいのか悲しめばいいのか···
いや本音を言えば泣きたい気持ちだが、カズに気持ちを伝えるわけにはいかないんだから。
それなら···ずっと友だちでいられるなら···
それはすごく幸せなことなんじゃないだろうか。
しかも“一番”の友だちだぞ。
必死に自分に言い聞かせる。
またまた智くんに抱きついてるカズを見てると、あまりそうは思えないんだけど。
何とも言えない気持ちでいたら、カズがちょこちょこと俺の隣にやって来て、無言のままぴったりくっついてきた。
なんだなんだ?!
突然どうした?!
触れているカズのすべすべの肌が気持ちいい···じゃなくて!!
カズの行動の意味が分からなくて動揺していたら、カズがチラリと俺の様子を伺ってくる。
その上目遣いの顔が可愛くて可愛くて。
意味とかどうでも良くなってしまう。
そのままカズの好きなようにさせていたら、ぎゅうぎゅうと押してくるから思わず笑ってしまった。
何をしてるのかと聞けば、押しくらまんじゅうだって。
無邪気な答えにますます頬が緩んだ。
意味不明だけど、いいや。
こんな可愛い笑顔が見れて幸せだから。
そのままじゃれていたら潤に怒られて、カズはあっさり離れてしまった。
カズに見えない位置で恨めしく潤を睨むと、呆れたように笑われた。