第11章 誕生祝い to JUN
ーNsideー
智の言う通り、翔ちゃんが潤くんを好きだっていうのは俺の勘違いだったみたい。
翔ちゃんはただ俺のこと心配してくれてたんだ。
まさか翔ちゃんが親友である潤くんのことまで気にするなんて思ってなかったんだもん。
勝手に勘違いして落ち込んで、またみんなに迷惑掛けちゃった。
恥ずかしいし、申し訳ない。
それでも翔ちゃんの優しさが嬉しくて感動していたら、翔ちゃんの口からは更に信じられない言葉が次々飛び出した。
ヤキモチ妬いたって!!
俺の一番になりたいって!!
何それ!?本当に!?
そんなの翔ちゃんが一番に決まってる。
智も雅紀も大切だけど、翔ちゃんは別枠だもん。俺の中で特別だもん。
逆に翔ちゃんにとっての俺はどうなんだろ?
俺だって翔ちゃんの一番になりたい。
潤くんよりも仲良しな一番の友だちになりたいって思ってる。
恋人になんかなれるわけないから、それなら友だちの中の一番になりたいんだ。
友だちだったらずっとずっと一緒にいられるから。
そんなワガママを言う俺に翔ちゃんは笑顔で頷いてくれた。
さっきまで沈んでた心が嘘みたいに軽くなる。
にやける頬を抑えられずにいたら
「良かったね」
智が頭を撫でてくれたから、そのまま智にぎゅっと抱きついた。
「ありがと、智。いつも迷惑掛けてごめんね」
「迷惑なんて思ってないよ」
ふわりと笑ってくれる智に気持ちが和む。
「やっぱり智大好き♡」
「ふふ、また翔くんがヤキモチ妬いちゃうよ」
面白そうに智が囁くからチラリと翔ちゃんに目を向けてみたけど、穏やかに微笑んで俺たちを見てる。
「こんなので翔ちゃんが妬くわけないでしょ。っていうか、さっきのヤキモチってどういう意味だったんだろ?」
聞いてみても、智は困ったみたいに笑うだけ。
そりゃそうだ、智にだって分かんないよね。