第11章 誕生祝い to JUN
視線を翔たちへ戻すと、まだ黙って見つめあったままだけれど、2人の距離はさっきより縮まっているように見えた。
先に口を開いたのはニノだった。
「俺も···俺も翔ちゃんの一番になりたい」
ピンクの頬にうるうるの瞳のまま、恥ずかしそうに翔に伝える。
翔は一瞬驚いたように目を見開いたが、すぐに蕩けそうな笑顔を浮かべた。
お!なんか良い感じだな!
もしかして、このままくっつくんじゃないか?
雨降って地固まるってやつ?
智も同じように感じているのか、期待に満ちた目で2人を見つめている。
「俺を翔ちゃんの···」
智と一緒に固唾を飲んでニノの言葉の先を待ったが
「一番の友だちにしてくれる?」
満面の笑みで翔にそう告げたニノに、ガクリとずっこけるかと思った。
コントか!!
いや、まぁそんな上手くはいかないか。
こんな簡単にくっつくなら、もうとっくに付き合ってるよなぁ。
翔も少し期待してしまってたんだろう。
内心ガッカリしているのが手に取るように分かる。
それでも翔が貼り付けたような笑顔でぎこちなく頷くと
「ずっとずっと一番の友だちでいようね♡」
ニノはそれはそれは嬉しそうに笑って翔にとどめをさした。
翔のやつ、本当に泣くんじゃないかな···
けっこう本気で心配になる。
智も苦笑いだ。