第11章 誕生祝い to JUN
「翔ちゃんは恋愛対象として潤くんのこと好きなんじゃないの?」
やっとカズが喋ってくれて嬉しかったのにそんな内容···俺、本当に泣いちゃうよ?
「そんなわけないじゃん!潤は親友!恋愛対象にはならないよ!」
きっぱり言い切ったら
「じゃあなんで···?なんであんなにダメって言ったの?」
カズにも智くんと同じ質問をされる。
カズはなんだか苦しそうな顔をしていて、見ていて辛い。
これはもう素直に白状するしかないんだろう。
「···カズが俺以外の男と2人になるのが嫌だったんだよ」
「男って、潤くんだよ?」
カズが驚いたように目を丸くする。
「俺だって潤がカズに何かするなんて思ってないよ。でも、それでも嫌なんだ···」
言いながら、なんて心の狭い男なんだろうって自分で自分に呆れてしまう。
でもカズの表情は明るくなった気がした。
「もしかして···翔ちゃん、俺のこと心配してくれてたの?例え潤くんでも2人になったら俺がやなこと思い出すんじゃないかって?」
「う、うん···まぁ、そう···かな」
嘘ではない。
決して嘘ではないんだけど···
でも理由のほとんどはただの俺の嫉妬だから、歯切れも悪くなる。
それなのにカズは感動したみたいな顔になって
「翔ちゃん···」
うるうる潤んだ瞳で見つめられて、嬉しいけどちょっと心苦しい。
「いや、ごめん」
「え!?嘘なの!?」
つい謝ってしまった俺に、声を荒げたのは何故か智くん。
「いやいやいや!嘘じゃない!嘘じゃないんだけど!」
ぐいっと迫ってくる智くんの目が怖くて、後ろにのけぞってしまう。
「カズを心配してる以上に···その、ただヤキモチだから···」
「ヤキモチ?何に?」
しどろもどろに本当の理由を口にしたら、カズが不思議そうな顔をする。
「いや、潤に···あと、今は智くんにも」
「なんで···?」
「だって俺···俺がカズの一番になりたいって思ってるから」
思わず本音が溢れて、顔が熱くなるのが分かった。