第11章 誕生祝い to JUN
「さっき、ニノと潤が2人になるのダメって言ったでしょ?」
「智っ!!」
カズが遮ろうとするけど、智くんは黙らない。
「理由を教えてくれる?」
「それ···は···」
さっき口にしないでやり過ごせたと思ったことを改めて聞かれて思わず口ごもる。
そんな俺に智くんのまっすぐな視線が突き刺さった。
隣のカズはまた泣きそうな顔になって、すがるように智くんの腕を掴んでいる。
なんで今そんなことを聞かれるのか分からないけど、カズの様子がおかしくなったことと何か関係あるのかな。
素直に言ったら引かれるかもしれない···という不安はあるけど。
でも嘘をついたり誤魔化したりしたら許さないって圧を智くんから感じる。
「潤のこと好きなの?だからニノと2人になるのダメって言ったの?」
口を開けずにいる俺に、智くんは容赦なく質問をぶつけてくるんだけど
「···は?」
一瞬何を言われてるのか理解出来なかった。
「だから、翔くんは潤のこと好きなのかって聞いてるの!」
「いや、潤のこと好きか嫌いか聞かれたらそりゃ好きだけど···」
いつにない智くんの迫力にのまれて、普通に答えてしまう。
「好き?それは友だちとして?」
「友だちとして。···え?それ以外に何があるの?」
でも畳み掛けるような質問に、途中で首を捻ってしまった。
潤に対して友情以外の気持ちなんてあるわけないし。
智くんは俺がカズのこと好きだって知ってると思ってたのに、なんでこんな質問するんだろう?
知ってると思ったのは、実は勘違いだったのかな。
首をかしげたままでいたら、いつの間にかカズも俺を見つめてた。
「れ···い対象として···」
「え?」
声が小さくてよく聞き取れなかったけど、カズが口を開いてくれて嬉しくなる。