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キミのとなりで【気象系BL】

第11章 誕生祝い to JUN



今度はなにを言い出すんだろ?

「本当は俺のお弁当がすごくまずくて、それで俺が料理を手伝うなんてイヤなのかな?」
「はぁっ!?」

またニノの思考は変なところへ飛んだらしい。

「翔くん美味しいって言ってくれたんでしょ?」

ついさっき幸せいっぱいに教えてくれたじゃん!

「翔ちゃん優しいもん。優しいから、まずくたって俺に言うわけないよ」

すっかりネガティブになっているニノともう一度目を合わせる。

「翔くん無理して食べてるように見えたの?嘘ついてるように聞こえた?」

ニノは少し考えると、ふるふると首を振った。

「本当に美味しいって思ってくれてた···と思う」
「ね?ニノがそう思ったならそうなんだって」

ニノはまだ信じきれないような顔してたけど、それでもこくりと頷いたから納得したのかと思いきや

「じゃあやっぱり、翔ちゃんは潤くんのこと···」

またそこに戻ってしまった。

これは俺が何を言ってもダメだな。
翔くんに直接否定してもらわないと。

「戻ろう」
「え?うん···」

ニノの手を引いて、また美術室に向かう。

会話の途中で戻ることにしたからニノはちょっと戸惑ってたみたいだけど、それでもちゃんとついてきてたのが

「翔くんに直接聞こう」
「やだ!!」

俺がそう言ったらジタバタ暴れ出した。

でも繋いだ手は離してあげない。

「だって俺が何を言っても信じないでしょ」
「でも···だって···」

足を止めてしまったニノを引きずりながら歩き続ける。

「翔ちゃんの口から潤くんが好きだなんて聞いたら泣いちゃうよ」
「そんなこと絶対言われないから!」

ニノが涙声で訴えるから、俺の足まで止まりそうになるけど。

ここで俺が折れたら、ニノは変な誤解したままになっちゃう。

そっちのが可哀想だよ。

心を鬼にして、ニノを連れて美術室に戻った。

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