第11章 誕生祝い to JUN
ストローを咥えたまま、目線で続きを促したら
「···翔ちゃんも潤くんが好きなのかな?」
ニノがポツリと呟いた。
予想していなかった呟きに驚いて、ジュースが変なところに入ってしまう。
「ぶっ···ごほっ···けほっけほっ」
「ちょっと、大丈夫?」
むせる俺の背中をニノがさすってくれる。
「けほっ···大丈夫じゃないよ!突然なに言い出すの?」
「智も潤くん好きなのにこんなこと聞いてごめんね」
「今はそんなことどうでもいいから!」
思わず強い口調になってしまったら、ニノがますます落ち込んでしまった。
一体何をどうしたらそんな発想になったんだ?
相変わらずニノの思考回路はよく分からない。
「なんでそんな風に思ったの?」
分からないことは聞くしかない。
「だって翔ちゃん、あんなに必死になって俺と潤くんが2人になるのダメダメって言うから。理由も教えてくれないしさ、言えない理由ってなんだろうって考えたら···」
なるほど。
それで翔くんが潤を好きなんじゃないかって思い込んじゃったのか。
ニノが突然落ち込んだ理由は分かったけど。
なんでそこで、翔くんがニノを好きだって考えないのかな?
「翔ちゃんは潤くんが好きだから俺が潤くんと2人になるの嫌なんだろうなって」
そっちの可能性は、ニノの中には全く浮かんでないようだ。
ニノの瞳がまたうるうると潤み出したから、ニノの肩をガシッと掴んで
「違うよ、ニノ。翔くんが潤のこと友だち以上に想ってるなんてないから!ないない!!」
しっかり目を見て言い聞かせる。
「じゃあ、なんで?なんであんなにダメダメって···」
ニノは瞳を揺らしながら、何か考え込んでいたけど
「あっ···もしかして···!」
ほかに思い当たることがあったのか、ちょっと大きな声を出した。