第11章 誕生祝い to JUN
平静を装って出した第2案。
2人じゃなくてみんなでやるならいいんだって。
全員で動こうって決まったら、智も翔ちゃんもホッとした顔してた。
翔ちゃんのその顔を見たら、ますます疑惑が確信に変わってしまう。
やっぱり翔ちゃんも···潤くんが好きなんだ。
潤くんカッコいいもんね。
男前で、真面目で、意外と熱血で、優しくて。
俺と知り合うずっとずっと前から翔ちゃんの親友で。
こんな素敵な人がずっと隣にいたら、そこに特別な気持ちが芽生えてたっておかしくないよね。
俺、なんで今まで気付かなかったんだろ。
もし本当にそうなら、こないだプールで智と潤くんを一緒に見守ろうなんて言っちゃったけど、それもダメだったかも。
知らずに翔ちゃんを傷付けてたらどうしよう。
どんどん気持ちが落ち込んでくる。
さっきまでの幸せでフワフワしてた気持ちは嘘みたいにぺしゃんこに潰れて消えていった。
「ニノ?」
俺の気持ちの変化に敏感に気付いてくれたのは智で。
「どうしたの?」
優しい声に泣きたくなる。
「さと···っ···」
口を開いたら涙が出そうになって、そのまま智に抱きついた。
こんな態度とったら、困らせるだけだって分かってる。
心配だって掛けちゃうかもしれないけど。
こんなことで涙を見せるわけにはいかないから。
智にしがみついて、涙が溢れないように唇を噛み締めた。