第11章 誕生祝い to JUN
ーOsideー
「智ー!!あっ、潤くんもいる!!ちゃんと来たんだね♪」
電話での宣言通りニノと翔くんがやって来た。
美術室が一気に賑やかになる。
「···来ちゃ悪いかよ」
「ぜーんぜん♡」
ちょっと憮然とする潤に、にこにこ嬉しそうなニノ。
「何?」
「なんでもなーい!」
聞いてもムダだと思ったけど、やっぱりニノには適当にはぐらかされてしまう。
「智なに食べてるの?」
「潤のお土産のクッキー」
「ガレットな。2人もどうぞ」
「わーい♪いただきまーす♪」
潤が勧めるとニノが早速手を伸ばす。
「美味しーい♡はい、翔ちゃんも♡あーん♡」
一口食べて、残りを翔くんの口元に差し出す。
「あーん···うん、うまい!」
なんの躊躇いもなく口にした翔くんは、優しくニノを見つめる。
「でもカズのお弁当のが美味しかったな」
「もう!翔ちゃんったら///」
照れて赤くなるニノに
「一気に室温が上がったな」
苦笑いする潤。
いつもの光景が戻ってきたことになんだかホッとした。
「今日も仲良いね。お弁当うまく出来たみたいじゃん。翔くん喜んだでしょ?」
「うん♡喜んでくれた♡明日も作るんだ♡」
幸せいっぱいな笑顔で素直に喜ぶニノは可愛くて。
「智も久しぶりに潤くんのお弁当食べれた?」
「うん、作ってきてくれた」
「良かったねー♡」
「うん///うまかった///」
ちょっと恥ずかしさはあるけど、ニノの真似して俺も素直になってみる。
「なんかすげー満たされた···腹だけじゃなくて、心も///」
ニノはそんな俺を見て嬉しそうに笑った。
きっと俺がニノが幸せだと嬉しいみたいに、ニノも俺の幸せを願ってくれてるんだ。
お互いの幸せを心から願える友だちがいるって、それだけでものすごく幸せなことだな。