第11章 誕生祝い to JUN
そんなやり取りをしたから、昨日からずっとワクワクそわそわしていて。
待ち合わせ場所にやって来たカズが大きめの保冷バッグを持っているのを見た瞬間、嬉しくて大声で叫んでしまうかと思った。
落ち着かないまま午前中をなんとか過ごし、やっと待ちに待った昼食の時間になった。
「じゃあ、開けるね」
カズがちょっと緊張したような顔で、お重の蓋を開けてくれる。
現れたのは唐揚げをメインにした、彩りも綺麗なお弁当。
「すごい···!!」
予想を遥かに越える立派な弁当に、感激してしまってうまく言葉が出てこない。
「あのね、姉ちゃんにも手伝ってもらったの。だからあんまりすごくないんだよ」
「いや、すごいよ!本当にすごい!」
カズは謙遜するけど、料理が出来ない俺からしたら尊敬しかない。
すごいすごいと繰り返す俺に、カズは頬を赤らめて照れながら
「ありがと///あの、食べてみて?」
はい、と紙皿と割り箸を手渡してくれる。
「いただきます」
唐揚げを一口頬張る。
「うまっ!!!」
口に入れた瞬間にもう美味しくて。
思わず叫ぶと
「良かった~」
俺が食べるのを黙って見守ってたカズが、安心したように息を吐いた。
「マジでめちゃくちゃうまい!今まで食べてきた唐揚げの中で一番!」
カズの唐揚げはお世辞抜きに本当に美味しい。
他のおかずも当然のように全部美味しくて、箸が止まらない。
「卵焼きもポテトサラダもうまい!!」
「嬉しい♪たくさん食べてね♡あ、おむすびは具が4種類だよ」
「全種類食べる!」
カズは嬉しそうにニコニコしながら、俺のお皿におむすびを乗せてくれた。