第11章 誕生祝い to JUN
美味しいランチを食べながらお喋りしていたら、潤が智くんに手作りのお弁当を作っていたらしいという話になった。
「潤が?智くんに手作り弁当?」
「そうなんだって!仲良しだよねー♪」
カズはニコニコ···を通り越して、むしろニヤニヤしている。
「へぇ、潤がねぇ」
調理実習とかで手慣れてるなとは思ってたけど、あいつ家でも料理するのか。
っていうか、料理するんだとしても。
わざわざ智くんに弁当作って行くとか。
それも毎日。
カズじゃないけど、思わずニヤニヤしてしまう。
手作り弁当なんて愛しか感じない。
いいなぁ···
俺もカズの手作り弁当食べたいなぁ···
「···智くんが羨ましい」
「翔ちゃんも潤くんのお弁当食べたいの?」
ポロリと心の声が漏れてしまったら、カズが何とも言えない顔をした。
「いやいやいや!潤のじゃなくて!」
慌てて否定すると、今度はキョトンとする。
「じゃあ誰の?」
もちろんカズのなんだけど。
正直に言ってもいいんだろうか?
「あの···カズの作ったお弁当が食べてみたいな~なんて···その、カズ料理上手だし···」
こんなお願い図々しいって分かってるから、小さい声しか出ない。
カズがどんな反応するのか想像がつかなくて、もし嫌な顔されたらどうしようと内心ビクビクしていたら
「え?!俺の?!」
カズは驚いて目を丸くした。
「翔ちゃん、俺のお弁当食べたいって思ってくれてるの?」
「うん」
「本気で言ってる?」
「うん」
素直に頷くと、カズは嬉しそうに笑った。