第11章 誕生祝い to JUN
ーSsideー
久しぶりの学校の図書館。
ここでカズと並んで勉強するのも久しぶりで、ちょっと新鮮な気分。
でも今日は全然勉強に集中出来ない。
なぜなら、カズが作ってきてくれたお弁当が気になりすぎるから。
一昨日、日本に戻ってきて。
本当は約束通りすぐカズに会いに行きたかったんだけど、自宅に着いたのがもう夜で。
泣く泣く電話で我慢して、昨日は張り切って午前中のけっこう早い時間からカズの家にお邪魔した。
そうしたら当然お昼を跨ぐことになるわけで。
一度家に戻らないとなーなんて思っていたら、なんと昼ご飯をカズが作ってくれた!
お土産のパンケーキミックスを使ってパンケーキを焼いてくれたんだけど、俺のためにキッチンに立ってくれるカズの姿に感動して。
「なんか俺に手伝えることある?」
「ううん、大丈夫。すぐ出来るから座って待っててね」
カズの後ろをチョロチョロする俺に、カズが振り向きながらにっこり笑う。
やり取りが本当に新婚さんみたいで。
いつかの妄想が現実になったみたいで、またまた感動してしまう。
おとなしく座って料理するカズを見ている時間も幸せで。
「出来たよー♪お待たせ」
あっという間に作り上げたカズからお皿を受け取って机に並べていく。
まるでお店みたいに、綺麗に焼けたパンケーキにサラダと果物まで添えられていて。
「すげー!!」
本気で感心してしまう。
「すごくないよ。翔ちゃんがくれたパンケーキミックスのおかげだよ」
照れてはにかむカズが可愛すぎる。
「いやマジで!!マジですげぇ!!カズ料理上手なんだな」
「そんなことないよ///さ、あったかいうちに食べよ?」
カズが席に着くのを待って
「いただきます」
2人で手を合わせた。
「うまい!!」
「ん、美味しいね♪」
カズが作ったって言うだけで美味しいに決まってるけど、焼き加減も絶妙で。
本当に美味しい。
カズもニコニコ食べている。
カズお手製のランチを、カズと向かい合って食べる。
幸せ過ぎてもしかして夢なんじゃないかと思うくらい幸せだった。