第11章 誕生祝い to JUN
『会いたくないの?』
そりゃ、会いたいか会いたくないかって言われたら···ね。
「会いたい···けど···」
『んふふ♡智可愛い♡』
ニノはこういう話になるとやたら楽しそうだ。
やれやれ。
「可愛くねーって。潤疲れてるみたいだし、時差ボケが辛いみたいだし」
『そうなんだ』
「だから当分会えないだろ」
『ふーん···』
ニノが何か考え込むように黙り込んだ。
「ニノ?」
『あのね、潤くん今月誕生日なんだって!8月30日!知ってた?』
呼び掛けたら、また何でもなかったように話し始める。
「いや、知らない」
『今日翔ちゃんに聞いてね。智に教えてあげようと思って電話したんだ♪』
えー!?今までの全部前置きだったの!?
てっきりのろけたくて電話してきたんだと思ってたよ。
『またみんなで出掛けるとか、何かお祝いしたいねって翔ちゃんと話してたんだけどね』
「うん」
『俺、智個人からも何かプレゼントしたらいいんじゃないかって思って』
「はぁ?」
『毎日お弁当作ってもらってたんでしょ?お礼も兼ねてさ』
確かに···ニノの言う通り、弁当のお礼は何かしたいと思ってた。
誕生日は良い機会かも。
でもなぁ···
「···プレゼントって何あげたらいいの?潤が好きなものなんて知らないんだけど」
『潤くんが好きで喜ぶもの、あるじゃん♪しかも智にしかプレゼント出来ないもの』
「何それ?そんなものある?」
『智の絵♡絶対絶対喜ぶよー♡』
ニノは自信満々に言い切るけど、本当に?
「そんなのもらって嬉しいか?」
『嬉しいに決まってるじゃん!潤くん智の絵好きだって言ってたし。俺だって智の絵ほしいもん』
ニノにそう言ってもらえると嬉しい。