• テキストサイズ

キミのとなりで【気象系BL】

第10章 夏休み4



みんなで食べたものの片付けをして。

また川で遊んでから、先輩がおもむろにスイカを取り出した。

「海でやり損ねたスイカ割りしようぜ」

わぁっと盛り上がって準備を始める中

「スイカ割り楽しそうだね」
「うん···でも翔ちゃんとしたかったな」

ニノはやっぱり浮かない顔で。

さっきからニノは何してても“翔ちゃん翔ちゃん”って、そればっかりになっちゃってる。

翔くん居なくてさみしいんだろうし、雅紀の発言でよけいに会いたくなっちゃったのかもだけど。

あんまりそればっか言うから、バスケ部のみんなもちょっと困り顔だ。

「ニノ、あんまワガママ言わないの。俺だけに言うならいいけど、みんなもいるんだから···みんな困っちゃうよ」
「···ごめんなさい」

自分でも自分の態度がよくないことは分かってるんだろう。

あまりきつく聞こえないように言ったつもりだけど、ニノが泣きそうな声で謝るから俺まで悲しくなる。

またまたしょんぼりしてしまったニノに

「まーまー!俺たちは気にしてないから!」
「櫻井がいなくてさみしいんだよね?」
「悪いけど俺たちで我慢して?ね?」

みんなが励ますように声を掛けてくれる。

「···うん、我慢する」
「えらいえらい!」
「ほら、やろう!」
「ニノちゃんが一番ね!」

ニノはかなり失礼なこと言ってるはずなのに、誰も怒らない。

本当に優しい人ばかりだ。


ニノに目隠しをしようとしてたら

「ちょっと待って!翔くんからニノに電話」

雅紀が大きな声を出した。

「翔ちゃん?なんで雅紀に?」
「直接聞きなよ。はい」

首を傾げるニノに、雅紀が自分のスマホを渡した。

/ 803ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp