第10章 夏休み4
「ニノちゃん!大ちゃん!お肉焼けたよー!」
「はーい」
一緒に焼いてた風ぽんが呼ぶと、2人はすぐに戻ってきた。
皿に焼けた肉を乗せてやる。
「ありがと」
ニコニコ受け取ると
「いただきまーす」
2人で声を揃えて、ぱくぱく食べ始める。
「おいしいね」
「うん、おいしい」
2人とも珍しくよく食べてる。
「鮎も焼けたよ」
「わぁ、ありがとう!」
先輩が串に刺して塩焼きにした鮎も差し出すと、智が嬉しそうに受け取った。
ニノは手を出さない。
「おいしーい!ほら、ニノも!」
智は一口かじると、ニノの口の前に差し出す。
「えー、俺はいい」
「おいしいから!ほら、一口!ね!せっかく一緒に釣ったんだから」
好き嫌いが多くて冒険もしないニノはぷいっと顔を背けるが、智も負けない。
「しっかり焼いてあるからニノでも大丈夫だよ。俺の釣った魚ニノにも食べてほしいなぁ」
「···うん」
智に懇願されて、しぶしぶ小さくかじるニノ。
「あ、おいしい」
「ね?食わず嫌いはもったいないよ」
「うん」
食べてみたら美味しかったらしい。
「ニノちゃんも食べれそう?はい」
「ありがと」
様子を見てた先輩がニノにも差し出すと、今度は素直に受け取った。
智とニコニコ食べ始める。
「相葉ちゃん!シャッターチャンスじゃない?」
「あ、そっか!」
風ぽんに言われて慌てて写真を撮る。
うん、いい写真が撮れた。
「ありがと、風ぽん!」
「どういたしまして。櫻井くん喜ぶといいね」
「これで喜ばれなかったら俺泣くよ」
「あははっ」
たくさん撮ってる写真には全部智も写ってる。
ずっと2人でくっついてるから。
潤にも送ってやるか。
とりあえず今まで撮った分を翔くんと潤に送った。