第10章 夏休み4
週末は晴天に恵まれた。
バーベキュー日和だ!
朝早めに集合して先輩のお兄さんたちの車に別れて乗せてもらって。
川原に着くなりニノと智は川に突進していった。
手を水につけてパシャパシャさせながら
「水冷たいね」
「気持ちいいね」
「魚いる?」
「見えなーい」
そんな会話をしてるのが聞こえてくる。
みんなで微笑ましく見守りながらも場所を確保して、今回もテントを持ってきてくれてたから設置して。
「ニノ!智!遊ぶのは荷物置いて着替えてから!」
「はーい」
声を掛けると素直にトコトコ戻ってきた。
着替えたニノは今日もラッシュガードを着ていたけど、海の時のとは違う。
「これ?姉ちゃんの。翔ちゃんがなるべく着てねって言うから、姉ちゃんの借りてきた」
聞いて納得。
だからか。形はシンプルだけど、ピンク。
でもかなり似合ってる。
「ちゃんと日焼け止めも塗れよ」
「雅紀まで翔ちゃんみたいなこと言う」
ニノはぶぅっと頬を膨らませたけど
「その翔くんから頼まれてんの!」
「へ?翔ちゃんから?何を?」
「色々!とにかく日焼け止めはちゃんと塗りなさい!」
「···はぁい」
翔くんの名前を出したら、おとなしく塗り始めた。
智が手伝ってやってたが
「大ちゃん、ニノちゃん、釣りしよ!」
声を掛けられると智の目が輝いて。
「するー!ニノ、行くよ!」
「わっ」
ニノの手を引っ張って走り出した。
「走んな!こけるぞー!」
注意しながら2人の後ろを追いかけると、風ぽんも付いてきてくれた。
「櫻井くんに何を頼まれたの?」
面白そうに聞かれたから
「ニノを絶対1人にするなとか、ニノに言い寄るやつがいたら名前教えろとか、日焼け止め塗るように言ってくれとか。俺のこと保護者かボディーガードだと思ってんのかな」
「あははは」
思わず愚痴ると、風ぽんは爆笑した。
言わないけど、潤からも智のこと心配するようなの来てたんだよ。
潤のやつ満更でもないどころじゃないな。
翔くんと同レベルだよ。