第10章 夏休み4
ーAsideー
毎日ニノと智と遊んで。
本当にカラオケもゲーセンもボーリングも全部行って。
ついでにニノに宿題も見てもらうことになった。
俺は一応部活の後とかにみんなでやったりしてたんだけど、智も潤に見てもらって進めてたらしい。
「潤くんと!いいねー♡」
ニノがニコニコすると、途端に智が赤くなる。
智と潤ね···
意外と言えば意外なような、実はそうでもないような。
最初に聞いたときは、智はニノのことが好きなんだと思ってたからかなり驚いたけど。
ニノへの気持ちは恋愛感情か分からないって言ってたもんな。
ニノが翔くんを好きになっても動揺もしてなかったのに、潤とのことをニノにからかわれただけで真っ赤になる智は可愛い。
その顔はニノと同じ恋する顔に見えた。
潤がどう想ってるのかは知らないけど、毎日手作り弁当作ってくるってさ。
潤も満更ではないんだろうな。
智も大切な友だちだから、幸せになってほしいと心から思う。
うまくいくといいな。
宿題は2人とも真っ白ってわけじゃなかったけどまだまだ大量に残ってるから、ニノに付きっきりで教えてもらえるのはとても有りがたい。
でもニノは自分の宿題を出すこともしないから
「ニノはやんないの?」
「もうほとんど終わってるもん。残りも翔ちゃんと一緒にやる約束してるからやらないの」
ちょっと心配して聞いてみたら、あっさりとそんな返事が返ってきた。
この超大量の宿題がもう終わりそうってすごいな。
単純に感心したんだけど、ニノはどこか浮かない顔をしていて。
「なんでそんな顔してんの?」
「宿題終わっちゃったら翔ちゃんと会う理由がなくなっちゃう。もっとゆっくり進めれば良かった」
ニノはしゅんと肩を落とすけど、正直それで落ち込む意味が俺には分からない。