• テキストサイズ

キミのとなりで【気象系BL】

第10章 夏休み4


ーNsideー


「お待たせー!」

智とお喋りしてたら、私服に着替えた雅紀がやって来た。

いつの間にそんなに時間が経ったんだろって思って確認したら、まだ終わる時間より早い。

「早くない?」
「今日は空いてるし、2人が待ってるからもう上がっていいって」
「本当に?大丈夫なの?」

心配になって雅紀のおばさんを見たら、にっこり笑って頷いてくれた。

「大丈夫だよ。行こっか!」
「うん」

荷物をつかんでレジに向かう。

「ごちそうさまでした」
「美味しかったです」
「お口に合って良かったわ。また来てね、次は仲良しなお友だちも一緒に」

会計を済ませてお礼を伝えると、おばさんは意味深に微笑んだ。

「???」

なんだ?
翔ちゃんと潤くんのことかな?

智とのお喋り聞こえてたんだ。
ちょっと恥ずかしいかも。

「···はい」
「また来ます」
「お疲れさまでした!お先に失礼しまーす」

おばさんに挨拶して外に出ると、びっくりするくらい暑い。

「暑ーい!!」
「ヤバい、早く屋内に入ろう」
「今日は結局何すんの?」
「決めてない」
「決めといてよ!」
「もう暑いからカラオケにしよ」

3人でワーワー言いながら移動する。
この感じも何だか久しぶりで楽しい。

「ねぇ、智って潤と付き合いだしたの?」

とりあえず駅に向かっていると、突然雅紀が智に質問した。

やっぱりさっきの会話が聞こえてたんだろうな。

「はぁっ!?なに言ってんの!?そんなわけないじゃん!!!」

智は大声で否定するけど、顔が真っ赤だよ。

「まだ付き合ってはないよね」
「ニノまで!バカなこと言わないで!ってか、ニヤニヤすんな!」
「だってー、智が可愛いんだもん」

口を挟んだら、俺まで噛みつかれちゃった。
でも真っ赤な顔で睨まれても怖くないもんね。

「結局なんなの?付き合ってはないの?」
「付き合うわけないだろっ」
「ふーん?」

雅紀は分かったような分からないような顔してたけど

「でも潤のこと好きなんだ?」
「なっ···」

どストレートな問いかけに、智はこれ以上ないってくらい赤い顔で言葉に詰まって。

その様子で察したらしい雅紀は

「ま、いーよ。無理に言わなくて」

ニヤリと笑うとあっさり引いた。

/ 803ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp