第10章 夏休み4
まだぎこちないけど、運ぶのにもだいぶ慣れてきた気がする。
ニノたちに飲み物を持っていくと、何故かおばさんまでついてきた。
何かと思ったら2人の前にケーキの盛り合わせプレートを置く。
「可愛いお友だちにケーキサービスよ♡」
「ちょっとサービスしすぎじゃない!?」
という俺の突っ込みはきれいに無視され
「わぁい♡」
「ありがとう♡」
遠慮もなく素直に喜ぶニノたちに、おばさんも嬉しそうにしている。
「ゆっくりしてってね」
「はーい♪」
「ありがとうございます♪」
カウンターへ戻るおばさんにお礼を言って、ニコニコとケーキを食べる2人。
本当に得な子たちだよ。
美味しいねーなんて幸せそうにケーキを頬張る2人をぼんやり眺めてたら
「ね、雅紀今日は何時まで?」
「このあと予定ある?」
急に聞かれた。
「あと2時間ないくらいかな。この後はなんもないけど」
「よかった!」
「久しぶりに3人で遊ぼうよ」
おお!
もしかして遊びに誘うためにわざわざ来てくれたのか?
あれ?でも···
「3人···?」
翔くんと潤は···って聞きかけて、今2人ともいないんだって思い出した。
翔くんたちがいないから暇で俺のとこ来たのか···なんて、ちょっぴりひねくれたことを思わなくもなかったけど。
でも3人だけで遊ぶなんて本当に久しぶりだ。
なんだかワクワクしてきた。
「いいよ!何する?」
「カラオケかーゲーセンかー」
「ボーリングは?」
ニノも智も楽しそうだ。
「雅紀、お盆はお休みなんでしょ?」
「うん、明日から日曜日まで休み」
「じゃあ今週たくさん遊べるね」
「全部行っちゃう?」
「行っちゃおう!」
俺のテンションも上がる。
「雅紀終わるまでここで待ってていい?」
「うん。今日空いてるし大丈夫だと思う」
「じゃあ待ってる」
一応おばさんにも話してオッケーもらって。
2人に待っててもらって仕事に戻った。