第10章 夏休み4
何して遊ぼうかなんて喋ってたらニノの携帯が鳴って。
確認したニノの顔がキラキラ輝いた。
分かりやすいなぁ。
「翔くん?」
聞くまでもないだろうけどね。
「うん!」
ニコニコして見せてくれた画面には真っ青な海と空の写真。
スライドしていくと、次々に現れる写真たち。
景色だけじゃなくて笑顔の翔くんが写ったものや美味しそうな食事のものまである。
「······すごい写真の量だね」
これ全部今日のなんだよね?
写真見てるだけで翔くんの1日の行動が全部分かるよ?
正直ちょっと引くくらいの枚数だ。
しかも写真1枚1枚に、その場所とか食べたものの説明が事細かに書かれてて。
どれも最後は
“カズと一緒に見たかったな”
“カズにも食べさせてあげたいな”
“カズといつか一緒に来たいな”
って感じで締められてる。
ニノへの愛が溢れちゃってるよ。
「翔ちゃんたくさん送ってくれるんだよ」
ニノは嬉しそうに返信してる。
この膨大な量にも、溢れまくる愛にも引くことなく純粋に喜んでいるみたいだ。
恋ってすげーな、なんて感心してたら
「智ちょっといい?」
ニノがぎゅっとくっついてきて、そのままスマホで自撮りする。
「急に何?」
「翔ちゃんが写真送ってほしいんだって。だから智と一緒だよって送るの」
「はいはい」
にこにこ嬉しそうに笑うから、好きにしてよって思ってたら
「智が可愛く撮れたから潤くんにも送っておくね~」
「はぁ?なんで···」
「もう送っちゃった♪」
ニノは返事も待たずに、さっさと写真を送っていた。