• テキストサイズ

キミのとなりで【気象系BL】

第9章 夏休み3



「海でね、翔ちゃん言ってたの。心配で禿げそうだから側にいてって。まだ禿げたくないんだって」

それくらいニノが大切で心配ってことなんだろうけど。

ハゲって···他に言い方はなかったのか?

「翔ちゃんが禿げちゃったら困るからね。翔ちゃんは髪の毛なくてもカッコいいだろうけど、ふふっ」

ほら!ニノ分かってないじゃん。
面白がっちゃってる。

「だから手を繋いでたんだってこと?」
「そう。俺だってこれ以上翔ちゃんに心配掛けたくないし···それだけだよ」

絶対それだけなはずないのに。

きっぱり言い切られて、それ以上言えなくなってしまう。

するとニノがふわりと表情をゆるめた。

「でもね、翔ちゃんが心配性なだけでもさ。手を繋げたら俺は嬉しいって思っちゃうの」

今日ずっと翔くんと繋いでた右手を左手でぎゅっと包み込んで、ニノがはにかむ。

「理由なんて何でもいいんだよ。手繋げるだけで俺は幸せだもん」
「ああ、もう!本当に可愛いなぁ!」

可愛い顔して可愛いこと言うから思わず力いっぱい抱き締める。

こんなの翔くん見たら倒れちゃうんじゃないかな。それくらい可愛い。

「ちょっ、くるしい~!!」

力を入れすぎたらしい。
腕の中でニノがジタバタ暴れる。

「もう!バカ力なんだから!」
「ごめん、ニノがあんまり可愛いからさ」
「可愛くないし!意味分かんない!」

腕の力をゆるめても、ニノはプンプンしてる。

「そんな怒んないでよ」
「まぁ、いーや」

本気で怒ってないのは分かってたけど、ニノはあっさり態度を変えるとニヤリと笑った。

「智だって今日潤くんと手繋いでたじゃん。智こそラブラブだったね?」
「あれはっ···違うっ!」

急にあまり触れてほしくない話題になったから、思いきり動揺してしまった。

/ 803ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp