第9章 夏休み3
ーOsideー
潤がまた“あいつらのマネしよう”って言い出して。
2人で1つの浮き輪を使って流れるプールを流されてる。
「浮き輪分も離れたくないってすごいよな。食事中も手を繋ぎっぱなしだったし」
少し離れてしまったニノたちを眺めながら、潤がやたらと感心している。
確かに今日は翔くんがいつも以上にニノにべったりで。
ご飯の時もものすごい食べにくそうなのに頑なに手を離さないから、ニノが食べさせてあげてた。
真横に座ってるんだから手離したって問題ないだろうにって思ったけど、ニノは嬉しそうだったな。
今も顔を寄せ合って何やら話してる。
何話してるのか聞こえないけど楽しそうで、見てる分には微笑ましいんだよ。
たださ、自分もやるとなると話は別なわけで。
やたら近くにある潤の顔が見れない。
とにかく恥ずかしい。
でもニノたちのマネしてると女の子は寄ってこないから、楽は楽なんだよな。
「普通に付き合ってるカップルだって、あそこまでベタベタしないと思うぜ。あいつら付き合ってないのに疑問は感じないのかね」
「ニノは翔くんが心配性なだけだと思ってるよ」
「心配だからってただの友だちにあそこまでしないよな。心配性なのも過保護なのもニノにだけなのに」
な?って急にこっちを向くから、超至近距離で目が合ってしまって
「わっ」
反射的に顔を背けてしまった。