第8章 夏休み2
「本当に本当にありがとうございました」
たくさんの感謝を込めて深々と頭を下げたら、隣で翔ちゃんも一緒に頭を下げてくれた。
「じゃあ···」
お礼も伝えられたから戻ろうとしたら、お姉さんたちに引き寄せられて
「大丈夫!翔ちゃんはニノくんのこととっても大切に思ってるわよ」
「私たちはニノくんの幸せを祈ってるわ」
翔ちゃんには聞こえないように耳元で囁かれた。
びっくりしてお姉さんたちを見たら、みんな優しく微笑んでいて。
ほんのちょっと一緒に過ごしただけなのに。
なんか、なんか····
「みんなお母さんみたい」
思わず呟いちゃったら、まだそんな歳じゃないわよって怒られた。
それくらい優しいって言いたかったんだけど。
女の人にこういうこと言わない方がいいんだな、覚えとこう。
お姉さんたちにバイバイして、また翔ちゃんと手を繋いでテントへ戻る。
翔ちゃんと歩いてても何でだか女の子が寄ってくることはなくて。
潤くんとか雅紀が一緒じゃなかったらそこまで目立たないのかも、なんて発見した。
翔ちゃん1人でもカッコいいのにね。
すっごいキラキラしてるのに。
でもそれでいい。
女の子なんて寄ってこない方がいいもん。
翔ちゃんが側にいてって言ってくれたからもう離れないもん。
俺が翔ちゃん独り占めしちゃうもんね。