• テキストサイズ

キミのとなりで【気象系BL】

第8章 夏休み2



ニノの目から今にも涙が溢れそうで焦る。

「どうしたの?」
「やっぱり翔ちゃんだって隣にいるのは女の子の方がいいよね」

なるべく優しく聞いたら、ニノは瞳を揺らしながら小さな声でそう言った。

「は?」
「翔ちゃん嫌がってなかったもんね」

ええっ!?
翔くんあんなに迷惑そうな顔してたじゃん!

ニノは一体何を見てたんだよ!

「女の子可愛いもんね。翔ちゃんだって男だもん···それが当たり前だよね」

いやいやいや!
言っちゃなんだけど、翔くんに言い寄ってた女の子たちよりニノのが可愛かったし。

そもそも翔くんはニノしか見てないよ。
そんなことで悲しくなる必要なんてないよ?

言いたいことはたくさんあるのに、翔くんの気持ちを知らないニノには言えない。

翔くんの気持ちはバレないように隠しつつニノを励ますなんて、そんなこと口下手な俺には出来そうになくて。

言葉に迷って口ごもってたら

「変なこと言ってごめん。頭冷やしてくる」

突然ニノがテントを飛び出して行ってしまった。

「えっ···ニノ!待って!!」

急過ぎる行動に反応するのがワンテンポ遅れてしまった。

こんなところで、あんな可愛いニノを1人にしたら危ない気がする。

何があるか分かんないし。

そうじゃなくても気持ちが不安定になってそうな今のニノを1人にしたくない。

慌てて追い掛けたけど、俺が外に出た時には既にニノは人混みに紛れて見えなくなってた。

/ 803ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp