第8章 夏休み2
ーSsideー
「カズこれ着て?」
水着に着替えたカズに用意しておいたラッシュガードを羽織らせる。
「何これ?」
「ラッシュガードだよ。カズ色白いから日に焼けないようにね」
なんて。
それももちろん嘘じゃないけど、本当はカズの肌をバスケ部のやつらや不特定多数の野郎どもに見せたくないからなんだよね。
喋りながらファスナーをぴっちり上まで閉める。
「えー、大丈夫だよ。翔ちゃんだって白いじゃん!翔ちゃんが着たら?」
「俺はいいの」
「なんでぇ?」
カズがちょっと不満そうな顔をする。
仕方ない···本音を言うしかないか···
「カズの綺麗な肌を他のやつらに見せたくないんだよ」
腹を括って本当の理由を言うとカズは真っ赤になった。
「綺麗じゃないし···学校のプールではこんなの着てないじゃん」
赤い顔のまま小さな声でブチブチ言ってるけど。
そう!そうなんだよ!
本当は学校でもラッシュガード着てほしいんだけどさ、屋内プールだから着せる理由がないんだよな。
「本当は学校でだって着ててほしいよ?どこに変なやつがいるか分からないし···」
誰にも見せたくないけど、学校は仕方ないと自分に言い聞かせてるんだ。
「カズ可愛いからおかしなやつに目をつけられないか心配なんだよ。お願いだから今日は着てて?」
真剣にお願いすると、カズは小さく頷いてくれて。ホッと安心した。