第7章 夏休み 1
ーOsideー
目の前には彩りも綺麗な弁当と、俺をジッと見つめる潤。
目力強すぎてちょっと怖いんだけど。
「え···と···いただきます」
「召し上がれ」
このお弁当なんと潤の手作りらしい。
今日も15時過ぎにお腹が空いて集中力が切れると潤がいて。
もう連日同じパターンだからそのことに驚きはなかったんだけど、パンを食べようとしたらこの弁当を渡された。
「これ食べて」
パンばっかじゃ栄養偏るから作ってきたって。
自分の作るついでにって。
俺がびっくりしてる間に、潤は机にランチョンマットを敷いてお弁当をセットする。
お弁当の蓋を開けて、温かいお茶まで添えられて。
その前に俺を座らせた。
それで向かいに座って俺が食べるのをジッと待ってる。
あまりの眼力にちょっと居心地悪くなりながらも、手を合わせてから一口食べた。
なんだか優しい味がした。
「美味い」
「そう?良かった」
思わず呟くと、潤が破顔した。
この女子力の高い弁当を潤が作ったなんてイマイチ信じられないんだけど。
パクパク食べる俺をそれは嬉しそうに眺めてる。
「潤が料理出来るなんて知らなかった」
「そう?普通にするよ?」
確かに調理実習の時、潤は手際が良かったような気がする。
でもあの時は翔くんがひどすぎて。
そっちのインパクトが強かったから、あんまり覚えてないんだよな。
「うち母親が忙しい人でさ。俺が小さい時はセーブしてたみたいだけど、最近はしょっちゅうあちこち飛び回ってんの。仕事大好きだからイキイキしてて、それは良いと思うんだけど」
「うん」