第7章 夏休み 1
「王子もだけどさ。大野くんも松本くんもバスケ上手いね。相葉より上手いんじゃね?」
「ちょっと!」
先輩にいじられて、反射的に突っ込んでしまう。
でも否定出来ないかもと思ってしまい若干凹んだ···いや、本当に少しだけね。
「でも本当に智は昔から運動神経いいよね」
「そうかな?ニノもあれくらい出来るでしょ。ただ体力ないだけで」
そうそう、ニノも運動神経いいんだよ。
今日は暑さに負けて早々にバテちゃったけど。
「智は体力あるんだな」
潤が意外そうにしてる。
確かに外見とイメージが違うかもね。
文化部だし。
「美術部なのにね」
「体鍛えてんの?」
「いや、なんもしてない。あー、でも時々知り合いに武術みたいのちょろっと習ってる」
「へぇ。意外と筋肉もあるよな」
潤が確かめるように智の腕を触ってるんだけど、智はくすぐったいのか逃げようとする。
それを潤が面白がって、押さえ込んでわざとくすぐったりして。
この2人もいつの間にか仲良くなったよな。
タイプが全然違うのに面白いな。
ニノと智だけじゃなくて翔くんたちまで来てくれて。
ニノは無理だったけど、3人と一緒にバスケも出来てなんだかすごく楽しかった。
でも休憩の後すぐ、どうしても心配だからと翔くんがニノを連れて帰ってしまって。
ニノはまだ赤い顔してたし、俺も心配だったから仕方ないんだけど。
帰っていく2人の背中を見送っていたら、なんだか無性に寂しくなった。