第7章 夏休み 1
「ニノ大丈夫?これ飲んで」
「ありがと」
雅紀がスポーツドリンクを持ってきてくれる。
「ちゃんと水分取って、少し休もう」
「うん···ごめんね」
「謝ることじゃないよ」
カズは申し訳なさそうにしてるけど、無理したら本当に倒れてしまう。
「こんなに暑いんだから無理しちゃダメだよ。もうやめようか。俺も一緒に帰るから」
「ううん、大丈夫!もうちょっと居る。翔ちゃんは戻っていいよ?」
「でも···」
「大人しくしてるから」
本当はすぐにでも連れて帰りたいし、せめてカズの側についていたい。
でもカズが気に病んでしまいそうだから仕方ない。
「分かった···じゃあ見ててね。もし体調悪くなったらすぐ言うんだよ?」
こくりと頷くカズをヨシヨシしてコートに戻った。
高校では部活もしてないから、授業以外で運動するのが久しぶりで。
体が鈍ってるなと感じたけど、汗を流して体を動かすのは楽しかった。
気になってカズをマメに見ているが、まだ顔が赤いし目も何だかウルウルしている。
大丈夫かな···
動いてなくても暑いもんな。
でも見ているだけでも楽しそうだ。
一生懸命応援して、ゴールが決まると大喜びしてくれてる。
そんな姿見たら、そりゃ俺も張り切っちゃうよね。
それなりに得点も入れられて、カズに良いところ見せられたんじゃないかな~なんて···
自画自賛してちょっと恥ずかしくなった。