第7章 夏休み 1
ーSsideー
バスケ部を覗きに来たら俺と潤まで大歓迎されて、何故か一緒にバスケすることになってしまった。
せっかくだからやろうよと熱心に誘われて···それでも断るつもりだったんだ。
俺バスケあんまり得意じゃないし。
そもそもカズに手を出しそうなやつがいないかを見に来ただけだし。
でもその誘いにカズと智くんが乗り気になってしまって。
しかもカズがさ
「翔ちゃんがバスケするとこ見たいな~」
なんてキラッキラな瞳で見つめてくるもんだから。
そりゃね、カズにそんな可愛いおねだりされたらね。断れないよね。
まさかバスケすることになるなんて思ってなかったから、当然何も持ってきてないんだけど。
予備のTシャツやらタオルやらを貸してくれるって言うから、有りがたくお借りした。
カズが他の男の服着るのはめちゃくちゃ嫌だけど、そこは文句も言えないから我慢だ。
体育館の中は窓も開いてるし、扇風機も回っているけど、サウナみたいに暑い。
少し動いただけで汗が吹き出してくる。
気を付けないと熱中症になりそうだな。
カズは大丈夫か?
ふと心配になって見ると、真っ赤な顔して少し足元がふらついていて焦った。
「カズ!?大丈夫!?」
慌てて抱えて風の通る場所へ連れていく。
カズはやっぱりしんどかったのか、壁に凭れるように座り込んだ。