第7章 夏休み 1
そのまましばらくダベってたら、昨日と同じ16時過ぎに翔とニノが来た。
夏休みだから通常より図書館が早く閉まるらしい。
「智来たよー」
「ニノお疲れ。翔くんも」
「すぐ行く?」
「うん、行こっか」
智とニノが俺には分からない話を始める。
なんだ?どっか行くのか?
「カズ?どこに行くの?」
翔も分からなかったようだ。
「あ、ごめんね!翔ちゃんに話してなかった」
少し慌てたようにニノが謝った。
「昨日ね、翔ちゃんとバイバイした後に雅紀とバスケ部の人たちと会ってね」
「え?」
「遊びに来てねって誘われたの」
「何もされなかった?」
翔が心配そうな顔になる。
「うん。最初囲まれてちょっと怖かったけど、大丈夫だったよ」
「囲まれた?」
ピクリと翔の頬がひきつった。
「みんな背が高くてね、びっくりしちゃった」
「小さくて可愛いとか言われてね」
「そんな小さくないよね!」
ねーって、ニノは智と呑気に話してるけど。
翔の顔!!怖いから!!
「それでね、今日見に行こうかと思って···いい?」
ああ、当然のように翔も一緒に行く前提の話なんだな。
「もちろん。どんな人たちなのか俺も見たいな」
いや、だから顔!!笑顔なのに怖えって!!
「良かった」
ニノは翔の怒りが分かってないようで、ニコニコしてる。
「潤もいい?」
「へ?俺も?」
智に突然振られて驚いた。
「え?やだ?」
「嫌ではないけど···」
俺まで行くのおかしくない?