第7章 夏休み 1
「いや~本当に可愛いなぁ」
「へ?」
心の声が出ちゃったのかと思ったら、いつの間にか部活の仲間たちが近くまで来てた。
「初めまして!二宮くん!大野くん!」
「噂はかねがね」
「こんな近くで見るの初めてだ」
「小さいな~」
あっという間にニノと智を取り囲むと、好き勝手なことを言い出す。
突然大男たちに迫られた2人は驚いて固まった。
2人とも人見知りだしね。
ニノなんて怯えて、半分智に隠れてしまってる。
これはいかんと、庇うように2人の前に立つ。
「ちょっと!2人が怯えてるから!」
「突然見知らぬ大男たちに囲まれたら、そりゃ怖いよ」
風ぽんも一緒にみんなを引き離してくれる。
「ほら!怖がらせたら2人に嫌われちゃうよ!」
それは困るとみんな慌てて距離を取るのが面白かった。
2人にごめんと口々に謝ってる。
うちの部は運動部にしてはゆるくて。
先輩も優しくて上下関係も厳しくないし、人数が少ないからかみんな仲が良い。
先輩も同級生も良いやつばっかなんだけど。
前からニノと智のこと可愛い可愛いって言ってたから、実際に目の前にして浮かれちゃったんだな。
「ごめん、みんな悪いやつじゃないんだ」
「う、うん···大丈夫、驚いただけ。みんな大きいねぇ」
智が感心したようにみんなを見上げる。
ニノは智の後ろから顔だけ覗かせて様子を伺ってる。
そんな2人の姿がまた可愛くて、みんなにやけちゃってるよ。