第7章 夏休み 1
ーAsideー
部活からの帰り道。
みんなでワイワイ帰っていたら、隣にいた風ぽんが公園の方を指差した。
「相葉ちゃん、あれ二宮くんと大野くんじゃない?」
見ると確かにニノと智が何やら立ち話している。
「本当だ」
まだ暑いのに外で何してんだ?
「ニノ!智!こんなとこで何してんの?」
突然声を掛けられて驚いた顔で2人が振り返った。
「なんだ雅紀か」
「なんだってひどくない?」
俺だと分かると、ニノはいつもの態度。
「雅紀、部活だったの?」
そう聞く智も制服だ。ニノも。
「そう。2人ともなんで制服?学校いたの?」
「うん、俺は絵描いてた」
「俺は翔ちゃんと図書館で宿題してた」
ああ、早速今日から2人で宿題してたのね。
嬉しそうな顔しちゃってさ。
また少しだけ胸がチクリとした。
「翔くんは?」
「もう帰ったよ。さっき別れたところ」
「2人は何してたの?」
「ちょっと喋ってただけ」
「まだ暑いんだから気を付けた方がいいよ。熱中症になるよ?ニノ真っ赤じゃん」
ニノは真っ赤な顔をしてた。
色が白いから余計そう見えるのかもしれない。
「あ、本当だ!ごめん、気付かなくて」
「なんで智が謝るのよ」
なんでだか智が謝って、ニノが呆れたように笑う。
「ほら、とりあえず水分とって」
まだ開けてないペットボトルがあったから、ニノに渡したら素直に飲んだ。
「はい、智も」
喉が渇いてたのか、2人で半分こして飲みきった。
「ありがと、雅紀」
珍しく素直に礼を言うニノは、ほっぺも赤くていつも以上に可愛かった。