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キミのとなりで【気象系BL】

第7章 夏休み 1



図書館はガラガラで。

クーラー効いてるから涼しいし、宿題もはかどるし、何よりも隣に翔ちゃんがいるし。
初日から良いことしかないんだけど。

静かに幸せを噛み締める。

「そろそろ休憩しよっか」

翔ちゃんに声を掛けられて時計を見たら、もうお昼だった。

学食も購買もやってないからお昼ご飯を買いにコンビニへ行くことにする。

涼しい図書館から出ると一気に汗が噴き出した。

強すぎる日差しに溶けそう。

「暑い~」
「今が一番暑い時間だよね。明日は学校の前に買って来ようか」
「そうしよ」

暑い暑いって言いながらコンビニに駆け込んで。

あんまり暑いからご飯の前だけどアイスをはんぶんこすることにした。

チョココーティングされた一口アイス。

「はい、カズ。あーん」
「あーん」

翔ちゃんと食べるといつものアイスも何倍も美味しく感じる。

「おいしー!」
「カズ、チョコついてる」
「え?」

どこ?って聞く前に、ひょいっと翔ちゃんの指先が俺の口元を拭っていった。

「ん、取れたよ」

翔ちゃんはにっこり笑ってくれたけど、俺はたぶん真っ赤で。

それに気付いた翔ちゃんがしまったって顔をした。

「ごめん!つい···その、弟にする癖で···」
「ううん!ありがと!」

ほら!だから、こんなのにいちいち動揺しちゃダメなんだってば!
変な態度取ったら翔ちゃんにバレちゃうよ。

翔ちゃんにしたら、俺なんか保育園児だっていう弟くんと同レベルなんだから。

分かってたけど。
改めて言葉にしたらなんか悲しい···

話を変えよう。

「智も学校来てるかな?」
「聞いてないの?」
「うん。LINEしてみるね」

来てるなら後で会いに行こうかな。

最近智の絵見てなかったから、久しぶりに見たいし。

翔ちゃんにも見せてあげたいな。

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