第6章 終業式
安心して気が抜けた一方で、重大なことに気付いてしまう。
丸山くんがいなくなる
それは翔ちゃんとの今の関係も終わるってことなのかな。
翔ちゃんが助けてくれた日···
あの時、翔ちゃんは“しばらく”側にいてって言った。
“しばらく”っていつまでだろうって思ってたけど。
きっと落ち着くまでってことだよね。
だから原因の丸山くんがいなくなれば、翔ちゃんが俺の側にいる理由もなくなる。
分かってたことなのに、悲しい。
期間限定の関係だって、それでいいって思ってたのに。
毎日楽しくて、あんまり幸せだったから、いつの間にかずっと側にいれるような気がしちゃってた。
友だちにはなれたと思うから、いきなり付き合いがなくなるとかはないだろうけど。
今までみたいな距離に居ていいのか分からない。
手紙を見つけた瞬間から次々と色んな感情が沸き上がってきて。
ごちゃごちゃと胸の中で渦巻いていて、頭が追い付かない。
揺れる感情の波に飲み込まれて。
なんだか泣きそうだった。