第5章 誕生祝い to Nino
ーNsideー
『家に着いたよ』
家に入ったらすぐ翔ちゃんにLINEする。
そしたら即既読になった。
早っ!
画面開いてたの?!
もしかして···
心配してずっと待っててくれたのかな。
胸がじんわり温かくなる。
『良かった!安心したよ』
『ちゃんと智くんと雅紀に家まで送ってもらった?』
心配してるプーさんのスタンプ。
可愛い♪
翔ちゃんこんなスタンプ持ってたんだ。
『大丈夫』
『ちゃんと送ってもらったよ』
俺はミッキーのスタンプにする。
「カズ?帰ったの?」
玄関で靴も脱がずにスマホをいじってたら、気配を感じたのか姉ちゃんが様子を見に来た。
「何してんの?」
呆れた顔をされて急に恥ずかしくなる。
慌てて靴を脱いだ。
「これ!お土産!」
「ありがと」
照れ隠しに姉ちゃんにお土産を押し付ける。
姉ちゃんは俺の顔を見て、抱えてる大きいぬいぐるみを見ると、にっこり笑った。
「楽しかったみたいね」
「うん···」
「良かったね」
姉ちゃんの笑顔が優しい。
「うん···ありがと」
だから恥ずかしかったけど、ちゃんとお礼が言えた。
「ふふっ、早くお風呂入って寝なね」
姉ちゃんがさっさと部屋に戻って行ったから、俺も荷物を置きに自分の部屋へ入る。
ベッドにぬいぐるみたちを並べて、プーさんのカチューシャは机に置いた。
それと翔ちゃんとお揃いのスマホケース。
眺めてるだけで、顔が緩んでくる。
ヤバいヤバい。
にやける頬をぺちぺち叩きながら、とりあえずお風呂に向かった。