• テキストサイズ

キミのとなりで【気象系BL】

第5章 誕生祝い to Nino



ニノも小さくなる翔くんを、ドアに貼り付いてずっと見てた。

「ニノ愛されてるね」

声を掛けたら怒りながら振り返った。

「からかうなよ!そんなわけないじゃん!」
「なんでそんなに怒るのさ」

大きいぬいぐるみ抱えてるし全然怖くないけど。

「翔ちゃん心配性なんだよ。それだけだもん」

ニノは大きなため息を吐いた。

そりゃ仲良くなったきっかけがきっかけだから、翔くんも心配なんだろうけど。

絶対それだけじゃないってば。

いつになったら気付くんだろうね。



駅に着いたら、雨はかなり小降りになってた。

「良かった」
「これなら傘なくても大丈夫だね」

駅からまっすぐニノの家に向かう。

「本当に送ってくれなくていいよ?」

なんてニノは言うけどさ。

「そんなこと出来るわけないでしょ」
「俺たちが翔くんに殺されるよ」
「翔ちゃんがそんなことするわけないじゃん!」

いやいや、翔くんはニノが絡むとかなり恐いと思うよ。

「とにかく送ってくから」
「近いんだからさ、気にしないで」

ぶーたれるニノをしっかり送り届けた。

「じゃあまた明日ね」
「おやすみ」
「うん、おやすみ···ありがと」

俯いて小さい声でお礼を言うから智とちょっと笑ってしまった。

今日のニノは本当に素直だなって思ったのに

「智も気を付けてね」
「ちょっと、俺は?」
「雅紀は平気でしょ!」

やっぱりいつものニノだった。

「もう!···まぁ、いーや!智も送ってくから心配しないでいいよ」
「よろしくね!また明日」

ニノは安心したように笑うと家に入っていった。

「行こ」
「俺はいいからね?」

智は遠慮するけど、ニノに言われなくても最初から智も送ってくつもりだった。

「なんで?送ってくよ」
「だって遠回りだし」
「大した距離じゃないよ」
「たぶん俺のが強いし」
「それは否定できないけど」

智がなんて言おうが俺の意思は変わらない。

だって智だって可愛い外見してるんだ。

ニノのことがあったから、もう後悔するようなことはしたくない。

少しでも心配なら、行動する。

俺は智のことも大切なんだよ。

何言っても引かないって分かったのか、智がため息を吐いた。

「分かった、お願いします」
「お願いされます」

笑いながら今度は智の家に向かった。

/ 803ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp