第5章 誕生祝い to Nino
ーOsideー
翔くんの予想通り、夜は雨の日限定というパレードがあった。
年に60回くらいしかやらない幻のパレードなんだって。
エレクトリカルパレードに比べたら短かったけど、ライトが雨にキラキラ反射してものすごく綺麗だった。
絵に描きたいな。
忘れないようにしっかり目と心に焼き付ける。
「綺麗だね~」
嬉しそうにパレードを見つめるニノの目もライトでキラキラしてた。
「本当だね」
翔くんはパレードそっちのけでニノしか見てない。
「あれ絶対ニノの方が綺麗だって思ってるよな」
「ふはっ···」
隣の潤がボソッと呟くから笑ってしまう。
潤は2人を見てると突っ込まずにはいられないんだって。
「あはは!絶対思ってるだろうね」
パレードはあっという間に通りすぎてしまった。
「花火はないよね?」
「さすがに無理だろうね」
「そうだよね···」
ニノは残念そうにしてるけど、この雨じゃ無理でしょ。
「夏になったらさ、花火大会行こうよ」
しょんぼりしてるニノに、翔くんが提案する。
ニノは基本的に超インドアだから普段なら絶対そんなの行かない。
暑いし人多いしメンドクサイ!って言う。
でも翔くんのお誘いだからね。
「うん!行く!」
二つ返事でオッケーしてた。
「みんなでね」
「うん、みんなで♪」
ああ、それも俺たちもなのね。
俺は別にいいけどね。
「おまっ、また勝手に決めて」
「それ俺たちもなの?」
潤と雅紀は懲りずに反論してるけどさ。
「···やなの?」
出た!ニノの上目遣い!
「一緒に行こーよ···」
「あ、ああ···」
「う、うん、行こっか···」
ほら負けた。
雅紀だけじゃなくて潤もニノのあのウルウルな目に弱いんだな。
ま、俺も弱いんだけど。
「カズ他にやりたいことある?疲れてたら帰ってもいいし、時間的にはまだアトラクションも乗れると思うよ?」
翔くんに聞かれて、ニノはうーんと考え込む。
「ミッキーと写真撮りたい!」
今日初めて聞いた、ニノの希望。
それを翔くんが叶えないわけなくて。
俺たちも反対する理由もなく。
ミッキーに会いに向かった。