第5章 誕生祝い to Nino
「翔この後どうすんの?」
「雨だしどっか入ってご飯食べようか。その後はパレードかな」
「パレードって雨だよ?」
「なんかね、雨の日限定のがあるんだって!」
得意気にニノが答えるが、情報源は翔だろう。
「雨の強さとか風とかにもよるみたいだけど、これくらいならやるんじゃないかなぁ」
「そんなのあるんだね」
「見たいよね~」
翔がそう言うと、ニノと智がまたキャッキャしだした。
「その前に飯食おうぜ」
とりあえず近くにあったハンバーガー屋に入った。
「そうだ!後で5人で写真撮ろうよ」
ハンバーガーを食べながら、ニノが言い出した。
「そう言えば撮ってなかったね。いいね、撮ろうよ!」
「別に撮らなくてよくない?」
「えー」
雅紀は乗り気だが、智がめんどくさそうに言うとニノが膨れた。
「ニノだっていつもなら撮りたがらないじゃん」
「今日は特別なの!」
「えー···」
それでも智が渋ると
「そんなにやだ?」
ニノがしょんぼりしながら、智をウルウルの上目遣いで見つめる。
智は言葉に詰まると、降参と言わんばかりの顔をして
「···やじゃないよ。いいよ、撮ろっか」
諦めたように笑った。
ニノの勝ち。
智はニノのあの顔に弱いんだな。
ニノは分かっててやってんのかな?
分かってたらタチ悪いよな。
どこで撮る?なんて会話を聞きつつ
「2人で撮らなくていーの?」
からかうつもりで翔に聞くと
「もう撮ったよ」
満面の笑顔が返ってきた。
そうですか。