第5章 誕生祝い to Nino
ーMsideー
「ニノー!」
前方に翔たちの姿が見えて、俺の隣で智が大きく手を振る。
スペースマウンテンにも乗って雅紀も満足したところで、ようやく合流することになった。
「智ー!」
ニノがニコニコと手を振り返している。
数時間ぶりに再会した2人は相変わらずだった。
いや、ラブラブ度は増したかもしれない。
相合い傘は···まぁ、仕方ない。
雨全然やまないしな。
なんなら俺の傘には智が一緒に入ってる。
だって智カサ持って来てねーんだもん。
雅紀も持ってたが、雅紀の傘が小さかったから俺の方になった。
まぁ、そんなことはどうでもいい。
ニノも持って来てなかったんだな。
カバンちっさいもんな。
でもさ、そこまでくっつかなくてもいいんじゃない?
ニノが翔にしがみつくようにくっついてて。
歩きにくそうなんだけど。
最も翔は全く気にしてない···と言うか、かなり嬉しそう。
今日はニノが女の子みたいだから、ただのカップルに見える。
これならこんだけベタベタしてても周りからも奇異の目では見られなかっただろう。
2人とも周りの目なんか気にしてないだろうけどね。
翔は片手に傘、もう片方にはでかい荷物を下げていた。
「それなに?お土産?」
思わず聞くと、ニノの目が輝いた。
「ゲームの景品だよ!2人とも成功したの!」
大きな荷物はよく見たら大きいミッキーとミニーのぬいぐるみで。
「ゲーム?」
「あのね、ボールをね···」
不思議そうに聞いた智に、ニノがゲームの説明を始める。
あんまり楽しそうに話すから、それを聞く智も嬉しそうだ。
どうやらそのゲームに成功するとぬいぐるみ、失敗するとチャームがもらえるらしい。
「翔ちゃんも成功してね、俺にくれたの!それで2つ揃ったんだよ!」
「良かったねぇ」
···それで、ニノのぬいぐるみを2つとも翔が当然のように持ってるわけね。
「智たちは乗りたかったの全部乗れたの?」
「乗れたよ」
「山は制覇したよー!」
「山って···」
3人がわちゃわちゃしだした。