第5章 誕生祝い to Nino
「智のはもっと大きな何かなのかもな」
「なんかちょっとお父さんみたいだよね」
「あー、時々親みたいな気持ちになるよ」
「なるのかよ」
潤に突っ込まれた。
「潤だって2人のことあったかい目で見守ってるじゃん」
「俺は別に親目線じゃねーよ」
「違うの?」
わーわー言い合ってる間にも列はけっこう進んでいて、気付けば乗り場まであと少し。
「意外と早かったね」
「喋ってたらすぐだったね」
「そんなに時間経ったかな?」
なんかすごく早かった気がする。
突然、潤がおかしそうに笑いだした。
「俺たち夢の国でなんの話してんだろうな」
確かに、男しか出てこないコイバナって。
絶対前後の人たちにも聞こえてたよね?
冷静に考えるとちょっと面白いかも。
俺もつられて笑ってしまう。
「ここだからこそな気もするけどね」
「待ち時間長いからね」
雅紀も笑ってた。
待ち時間は長いけど、乗ってしまえばあっという間に終わってしまうのがジェットコースターで。
「次はどうする?」
「スプラッシュ!」
「行くか」
聞いてみたら雅紀が即答した。
すぐに移動して、またスタンバイに並ぶ。
しばらくしたらニノから電話が掛かってきた。
少し話してすぐ切る。
「ニノ何だって?」
「今何してるかの確認。外雨降ってるんだって」
「え?そうなの?」
もう屋内部分に入ってたから外の様子が分からない。
「雨のせいで翔くんの予定通りにいかなくなったみたいだよ」
「翔のことだから、雨が降ったときのこともシミュレーションしてあると思うぜ」
確かに。
あんなに何パターンも考えてたもんね。
「もう合流したいって?」
雅紀がちょっと心配そうに聞いてくる。
「そうは言ってなかったよ」
「俺スペースマウンテンも乗りたいんだけど」
「いいんじゃない?その後合流で」
「じゃあ連絡しとくね」
ニノにLINEすると、すぐに了解のスタンプが飛んできた。