第5章 誕生祝い to Nino
ーOsideー
なんでだか突然雅紀と潤の恋の話になった。
雅紀のは知ってたけど、まさか潤が翔くんを好きだとは知らなかった。
いつも女の子と遊んでるらしいし。
翔くんに対してそんな素振り見せたことなかった。
潤は誰にも言わずに、ずっと1人で苦しい想いを抱えてきたんだな。
今はスッキリしたような笑顔を見せている。
吐き出して、少しでも気持ちが楽になったなら良かったと思う。
俺はニノが好きだって分かった時、どうだったっけ?
男とか女とかはどうでも良かった。
ただニノという人間が好きなだけで。
伝えようと思ったこともない。
俺、ニノが好きだからってそれで悩んだことないかも···
なんて考えてたら
「智もニノのこと好きでしょ?」
俺にまで話がまわってきた。
まぁ、この流れじゃそうだよな。
「違った?」
「違わない」
潤にはバレてたのか。
雅紀は知ってるし、特別隠そうと意識してたわけでもない。
「ニノのこと好きだよ。けど···」
「けど?」
先を促される。
「潤の聞いてる好きかは分からないんだ」
潤も雅紀も???って顔になった。
「ニノが翔くんを好きだって言ったとき、驚いたけど別にショックは受けなかったし」
ただニノが幸せになればいいって思った。
「ニノと翔くんを見てても、俺がニノとああなりたいとは思わないし」
「思わないの?」
雅紀も潤も驚いた顔してる。
2人はああなりたいって思ってるのかな。
「ニノが幸せそうに笑ってると俺も幸せな気持ちになるし」
「それは俺も分かるけど」
うん、潤もさっき言ってたよね。
「もしニノを泣かせるようなことがあったら、たとえ翔くんでも殴り飛ばすって思うし」
「こわっ」
2人ともちょっと笑ってるけど、俺は冗談でもなんでもなくて本気だから。
「ずっと変わらずニノが好きで大切だよ?でもこれって恋愛感情かな?」
ニノと翔くんを見てると自分が抱いてる想いは恋愛感情じゃない気がしてた。
そもそも、この気持ちに恋とか友情とか名前つけなきゃダメなのかな?
ただ好きだって、それだけなんだよ。