第5章 誕生祝い to Nino
「ニノに恋してからの翔さ、すげぇ変わったんだ。変わったっていうか···今まで見せなかった顔を見せるようになったっていうか···」
「ニノと一緒だね。翔くんもなんだ」
「ああ。今まで完璧なやつだって思ってたのに···意外とヘタレなとこがあったり、あんな締まりのない顔したり」
あのイケメンが台無しな顔ね。
思い出すと少し笑ってしまう。
潤も笑ってた。
「でもすごく幸せそうだよね」
智が言うと、潤が頷いた。
「翔のあんな顔見たことなかった。あれは俺じゃ引き出せない。相手がニノだから···なんだろうな」
翔くんを思い出してるのかな?
優しい瞳をしてる。
智がよくニノに向ける瞳と似てる気がした。
「好きなやつには幸せでいてほしいから。だから俺は応援したいって思ってる」
ラブラブ過ぎて応援するまでもないけどな、なんて呆れたように言ってるけどさ。
照れ隠しだよね。
翔くんのこと大切に想ってるの伝わったよ。
カッコいいな、潤。
「雅紀もさ、伝えるにしても伝えないにしても、自分が納得出来る形で気持ちにケリつけられるといいな」
「うん」
伝えるか···そんなこと出来る気はしないけど、俺なりに納得行く形を探してみよう。
後悔しないように。
「はぁ···俺、初めて自分の気持ち人に話したわ」
潤は大きく息を吐くと、笑った。
「ちょっとスッキリしたかも。ありがとな」
本当に晴れ晴れとした綺麗な笑顔だった。
「ずっと隠してたのに、なんで俺たちに話してくれたの?」
「2人がニノのこと好きだから。俺の気持ち分かってもらえるんじゃないかって思ってたんだ」
「2人って···」
俺だけじゃなくて智の気持ちにも気付いてたんだ。
「智もニノのこと好きでしょ?···違った?」