第5章 誕生祝い to Nino
ーAsideー
突然潤にニノが好きなのかと聞かれて、かなり動揺してしまった。
なんでいきなりそんな話になったんだ?
ニノと翔くんの話してたよね?
でも潤が興味本意だけで聞いてるんじゃないのは何となく分かった。
ニノや翔くんへの態度を見てて、潤が男同士の恋愛に偏見を持ってないのも分かってた。
だから別に隠すことないかって思えて、素直に自分の気持ちを話すことにした。
自分で自分の気持ちが分かってなかったなんてさ、馬鹿にされたって仕方ないような話なのに。
潤は真剣に聞いてくれて、俺の気持ちに寄り添ってくれて。
途中からは潤の方が苦しそうな顔をしてた。
話してるうちにだんだん愚痴めいて落ち込んでしまった俺をたぶん慰めようとしてくれて。
でも素直に受け入れられないでいたら、潤は翔くんとのやり取りを内緒と言いながら教えてくれた。
まさか翔くんにそんな風に見られていたとは思ってもいなかったから本当に驚いて。
だって翔くんは王子さまって呼び名がぴったりな完璧な人で。
あんなに分かりやすくニノとラブラブで。
それなのに俺のこと羨ましいって思うんだ。
翔くんも俺と同じじゃんって思ったら、ちょっと嬉しくなった。
そんで、ちょっと気持ちが軽くなった気がした。
俺には俺の、翔くんとは違うニノとの関係があるって。
そんな当たり前のことに気付けた気がしたんだ。