第5章 誕生祝い to Nino
「俺ね、自分がニノを好きなこと知らなかったんだ」
「はぁ?」
「ニノと翔くんが突然ラブラブになった日あったじゃん?あの日に智に言われて、初めて気付いたの」
雅紀は恥ずかしそうな顔をしつつ、普通に話し始めた。
でも俺には言ってる意味がイマイチよく分からない。
「知らなかったって何?認めたくなかったってこと?」
それなら分かる。俺がそうだったから。
「違くて。自分で自分の気持ちが分かってなかったんだ」
自分の気持ちが分からなかったって···
雅紀どんだけ鈍いんだよ···
「ニノとは小1からの付き合いでさ、ずっと一緒にいて···なんかもう兄弟みたいに思ってて。まさか兄弟に恋してるなんて思うわけないじゃん?」
そう言われたら、そうかもしれないけど。
もしかしたら無意識でそんなことはあり得ないと認められなかったのかもしれないな。
「でもさ、あの日智に言われて気付いた」
雅紀は少しだけ苦しそうな顔をした。
「俺ニノとずっと一緒にいたいって思ってた···だから死ぬほど勉強頑張って同じ高校に入ったし」
あぁ、勉強苦手だって言ってたもんな。
頑張ったのはニノのためだったんだ。
「ニノが翔くんとラブラブしてるの見た時ものすごいショックだった···それってさ、ニノのことが好きだからだって」
「俺、まさか雅紀が自覚ないなんて思ってなかったから。ショック受けてる雅紀が心配でポロっと言っちゃったんだ」
まだ知り合って日が浅い俺だって気付いたんだ。
ずっと一緒にいる智が気付かないわけない。
ごめんなって智が謝ると、雅紀は気にするなって首を横に振った。