第5章 誕生祝い to Nino
ーMsideー
2人と別れた俺たちはスタンバイの列に並んだ。
それなりな待ち時間だけど、ま、ディズニーだしこんなもんでしょ。
智と雅紀と3人って何だか不思議な気がしたけど、全然大丈夫だった。
2人ともちょっと天然ぽいところがあるけど、それもなんか癒されるし。
たまに訪れる沈黙も苦じゃない。
友だちになってまだ1ヶ月くらいなのに、なんか昔からの知り合いみたいな感じがするんだよな。
「あの2人どうしてるかな?」
ちょうど会話が途絶えた時、智が思い出したかのように呟いた。
「思う存分イチャついてるんじゃね?」
「簡単に想像出来るね」
うふふと智は笑ったが、やっぱり雅紀は複雑な顔をしていた。
「なぁ···」
聞いていいものか迷いはあるけれど、どうしても気になってしまう。
「違ったらごめんなんだけど···」
「何?」
「···雅紀はニノが好きなの?」
「えっ···なっ···えぇっ···!?」
雅紀は狼狽えた声を出して、明らかに挙動不審になった。
ちょっと困って智を見ると、驚いたようなそうでもないような、何とも言えない顔をしてた。
「や、ごめん···翔たちを見てるときの様子がずっと気になっててさ···」
2人がいない今ならって思ったんだけど、あまりに動揺してるから申し訳なくなった。
「ごめん」
「あ···いや、謝んないでいいよ」
頭を下げようとしたら、雅紀がとめた。
「俺そんなに分かりやすかった?」
「翔ほどじゃないけど···まぁ、分かりやすかったかな」
嘘をついても仕方ないし正直に答えたら、雅紀はマジか~なんて困った顔して頭を抱えた。
「雅紀は正直だからね。嘘つけないもん」
それが雅紀の良いところだよって智が微笑んだ。