第5章 誕生祝い to Nino
翔はパレードのキャラクターの位置までリサーチ済みだった。
目の前にミッキーが止まり、ニノの瞳がキラキラ輝いている。
「すごい!すごい!ミッキーが近い!」
珍しくテンションが高い。
子どもみたいにはしゃいでる。
翔はミッキーじゃなくてそんなニノを嬉しそうに見ていた。
ここまで喜んでもらえたら調べた甲斐もあるだろう。
「なぁ、午後は少し別行動していい?」
パレードが終わったタイミングで提案する。
「え?なんで?」
そんなこと考えてもいなかったのか、翔もニノもきょとんとしている。
「俺たちコースター系も乗りたいんだよね」
こう言えば反対しないだろう。
一緒に乗るとも言わないだろうし。
一番は2人の時間を作ってやりたいからだけど正直に言っても受け入れないだろうからね。
「そっか···このスケジュールだとコースター系入ってないからな···」
スケジュール表を確認する翔の隣で、ニノは智たちに確認している。
「智と雅紀も?」
「うん!俺がジェットコースター好きなの知ってるでしょ?意外と智も好きなのも」
「···そうだった」
雅紀に言われてニノは納得したようだ。
「じゃあ、そういうことで!適当に連絡取り合って夕飯前に合流しようぜ」
なにか言われる前にと、2人にさっさと背を向ける。
「何から行く?」
「じゃあビッグサンダー!」
「よし、行くか」
意気揚々と答える雅紀に笑いながら歩き出した。