第5章 誕生祝い to Nino
ーOsideー
無事にファストパスが取れたから、隣のアトラクションに向かう。
「翔くんのこのスケジュールすごいねぇ」
表を見て思わずため息が出てしまう。
1日ミッチリ予定が詰め込まれてるんだもん。
「絶対この通りにはいかないって」
潤は相変わらず苦笑いしてる。
「でもニノへの愛を感じるよね」
だってこんな綿密なスケジュールを何パターンも考えてるんだよ?
愛がなきゃ出来ないよ。
「俺はこんなギチギチなスケジュール無理だなぁ」
雅紀はそうだろうね。
「でもさ、ニノって自分で何も決めないじゃん?いつも何でもいいって言うし」
現にさっきもそうだったし。
「だからさ、これくらい予定立てて引っ張ってってくれるくらいがちょうどいいのかもね」
「それはあるかもね」
潤と納得してたら、表を見ていた雅紀が不満そうな声を上げた。
「ねぇ、このスケジュールさ、コースター系1個もないよ?」
「ああ、翔のやつ苦手なんだよ。高所恐怖症だし絶叫系はダメ」
「へぇ!翔くんにも苦手なものあるんだね!意外!」
そりゃ人間だからね、翔くんだって完璧な訳ないんだけどさ。
今まで欠点らしい欠点見たことなかったから驚いた。
「翔のやつ、自分が苦手なのを避けたプランをニノに勧めたんだな」
潤が面白そうに笑う。
「ま、ニノもジェットコースターあんま得意じゃないから、ちょうど良かったと思うよ」
「でもせっかくなら乗りたくない?」
雅紀が口を尖らせる。
俺は別にどっちでもいいけど、雅紀は大好きだから乗りたいんだろう。
「適当なところで別行動しようぜ。あいつらも2人の時間ほしいだろうし」
「ああ、そうだね」
「うん、いいね」