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キミのとなりで【気象系BL】

第5章 誕生祝い to Nino



翔ちゃんが手にしていたのは、プーさんのぬいぐるみがついたカチューシャで。

翔ちゃんがつける···訳じゃないよね···

「·········」

なんとなく嫌な予感がして無言になる俺にはお構いなしに、翔ちゃんはそれを俺の頭につけた。

あぁ···やっぱり···

翔ちゃんはものすごく満足そうな顔をしてるけど。

「翔ちゃん···何これ?」
「え?誕生日プレゼント?」

顔がひきつりそうになるのを堪えて聞いたけど、翔ちゃんは満面の笑顔だ。

いや、何で疑問形なの?

プレゼントもうもらってるし。

こんなの買ってもらう理由ないんだけど。

「プレゼントはチケットもらったよ!」
「だって似合うと思って···可愛いよ、カズ」

あぅ···不意討ちに負けた···

そんなキラキラ笑顔で可愛いとか言わないで!

嬉しくなっちゃうじゃん!

「可愛いカズを俺が見たかったんだよ···やだ?」

もう!もうもう!翔ちゃんズルい!

ちょっと悲しそうな顔してさ!
そんな風に言われたら、いらないって言えないじゃん!

「···やじゃない」
「良かった!カズのカーディガンがちょうどプーさんみたいな色してたからさ。合うと思ったんだよ」

確かに姉ちゃんのカーディガンは黄色いけど。

色の問題じゃなくない?

これ男がつけてて変じゃないの?

夢の国だから許されるの?

気になって周りを見たら、男でも何かしらつけてる人はたくさんいた。

「本当に変じゃない?」
「変じゃないよ。本当に可愛いよ」

また可愛いって···!!

俺きっと今、顔が真っ赤だよ。

翔ちゃんが可愛いって言ってくれるなら、もういっか。

「···じゃあつけてる。ありがと、翔ちゃん」

どうせ自分では見えないし気にするのやめよう。

何だか翔ちゃんすごく嬉しそうだし。

せっかくお祝いしてくれてるんだもん、楽しまなきゃだよね。

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