第5章 誕生祝い to Nino
ーNsideー
翔ちゃんの立ててくれたスケジュールは本当に細かくて。
文字通り分刻みで予定が立てられていた。
ファストパスを取るタイミングやショーやパレード、食事のことなんかも全部組み込まれてる。
実際に全部この通りにするのは難しいと思うよ?
正直無理だと思う。
でもさ、翔ちゃんが俺のために考えてくれたんだよ!
しかもこんなに細かいのを何パターンも!
嬉しいに決まってるよね。
ちょっと感動しちゃったよ。
迷いに迷ったけど結局翔ちゃんのオススメのに決めて。
その通りに動いてみることになった。
「まずはファストパスからだね」
中に入ってすぐに向かおうとしたら
「俺たちが取ってくるよ」
「チケット貸して?」
「2人はゆっくり来てよ。次のアトラクションで待ち合わせね」
智たちが俺たちのチケットを受け取って足早に消えていった。
「えー?いいのかなぁ?」
「もういないし、お言葉に甘えちゃおうか」
「うん···みんな歩くの速いね」
仕方ないかとのんびり歩いていたら
「ちょっとだけいい?」
「え?」
急に翔ちゃんがワゴンに近付いていった。
と思ったら、あっという間にお会計して戻ってくる。
「何買ったの?」
お土産買うには早すぎない?まだ朝だよ?
翔ちゃんはにっこり笑うと、手にしていたものを見せてくれた。