第1章 恋に落ちる
朝、下駄箱を開けたら、上履きの上に手紙が乗っていた。
最初に思ったのは
今どき下駄箱に手紙入れるやつがいるんだ
って、それだけ。
でもすぐに突っ込むべきはそこじゃないと気付く。
だってここは男子校で。
ということは、差出人も男だ。
当然俺も男なわけで。
···
······
·········
えーーー?
これが雅紀の言ってた本気のやつなのかな。
何だかちょっと不安になって、恐る恐る手紙を開けてみる。
中には簡単に、話があるから放課後裏庭に来てほしいとだけ書いてあった。
差出人は1年生の丸山。
誰だかさっぱり分からない。
どうしよう?
智や雅紀に相談した方がいいのかな?
でも冷静に考えたら告白されるとは限らない。
だって男同士だし。
雅紀があんな話するから勝手に告白だと思い込んじゃったけど。
でも告白じゃなかったら···わざわざ裏庭に呼び出してする話って何?
生意気だってシメられるの?
でも目立つことしてないしな。
そんなことをグルグル考えていたら、あっという間に放課後になっていた。
2人とも今日は部活の日で。
何も相談出来ないうちに
智は美術部へ
雅紀はバスケ部へ
それぞれ行ってしまった。
無視して帰ることも一瞬考えたけど、それも失礼かなと思い直した。
まぁ、何の話かは分からないけど、学校で何かされることもまずないだろう。
楽観的に考えた俺は、覚悟を決めて1人裏庭へ向かった。